臨床検体収集部門

臨床検体収集部門は、第2種感染症指定医療機関である富山大学附属病院の総合感染症センター臨床部門としても診療・研究を行っています。診療においては、新型コロナウイルス感染症をはじめとするあらゆる感染症に対して24時間365日体制で対応しています。また患者さん等に協力頂き、各種臨床検体を用いた様々な研究を行っています。

研究テーマ

臨床検体評価部門

臨床検体評価部門は附属病院の検査・輸血細胞治療部門および総合感染症センターでの検査・研究体制を活用することができます。その結果、抗原検査(遺伝子検査やCLEIA法など)や抗体検査の他、患者に関わる全ての臨床検査データを取得することができます。さらに、総合感染症センターではTm mapping法などの独自開発の手法を用い、感染症検査をより迅速かつ詳細に解析することができます。当部門では、これら臨床検体の多様な評価を通して先端抗体医薬開発センターの活動を支援します。

研究テーマ

抗体取得・TCR解析部門

免疫は、感染症からの防御やがんの制御などを担っており、その制御に関わる獲得免疫系では、B細胞が産生する抗原特異的抗体と抗原特異的T細胞が中心的な働きをしています。我々の部門では、ヒトやマウスなどのB細胞やT細胞について単一細胞レベルで解析を行い、その特異性を担う抗体やT細胞受容体(TCR)を作製して、その成果を臨床へ応用することを目指しています。特に、ウイルス感染症の治療、自己免疫疾患発症メカニズムの解明、がん細胞を標的とした抗体医薬やTCR療法開発などの研究を行っています。

研究テーマ

抗体取得・抗体多様性解析部門

高親和性の目的抗体を多量に分泌する形質細胞を同定・単離するため、われわれはERIAA法とFixAA法という2種類の手法を開発し、さらに単一細胞からの確実なcDNA合成を行うためのMAGrahd法や抗体遺伝子発現ユニット作製のためのTS-jPCR法を組み合わせることで、最短4日間で目的の抗体が取得できる、世界最速レベルのシステムを完成させました。これらの独自技術を核として、技術のさらなるレベルアップを目指すとともに、新興・再興感染症に対応した診断薬開発や、がんや感染症を治療標的とする抗体医薬品のシーズ開発を目的に研究を行なっています。

研究テーマ

中和活性評価部門

中和抗体の開発では、有力な抗体を含んだ試料の探索や、開発した抗体の有効性評価などが必要です。富山県衛生研究所と連携して開発したCRNT法は、シュードタイプウイルス(本物のウイルスに似せたウイルス)を用いた手法で、大量かつ迅速なスクリーニングに向いています。また、BSL3・ABSL3施設を利用しての高病原性生ウイルスを用いた中和活性評価や、動物での薬効評価が可能となっています。さらに、免疫細胞へのアプローチとして、シングルセル解析体制を充実していく予定です。

研究テーマ

動物実験管理部門

動物実験管理部門では、先端抗体医薬開発センターにおける動物実験についてコンサルテーション・アドバイスを行うほか、ゲノム編集による遺伝子改変マウスの作出や各種実験操作(遺伝子改変、薬物投与、感染等)の脳機能への影響を解析します。

研究テーマ

  • ゲノム編集による新しいモデルマウスの開発
  • 免疫関連分子の脳機能における役割の解析
  • ウイルス感染による脳機能への影響
バイオインフォーマティクス部門

バイオインフォマティクス部門では基礎的なバイオインフォマティクス手法に加えて、分子シミュレーションや数理モデルを駆使し、体系的な論理的根拠を基盤として抗体医薬開発を加速する技術開発をすすめ、迅速かつ革新的な計算創薬手法の実現を目指します。また、必要に応じてこれまでにも利用してきたスーパーコンピュータ利用も検討し、解析の高速化にも取り組みます。

研究テーマ

  • 抗体医薬の改変評価法の確立
  • 新型コロナウイルス変異株の感染力予測
  • 分子シミュレーションと数理モデルによるUGT1A1抱合能予測と副作用の病態解明
  • 分子シミュレーションによるEGFR-TKIの世代別薬効予測法の確立
  • コラーゲンの分子シミュレーションによるアルポート症候群の重症度予測法の確立
  • 分子シミュレーションによる家族性アミロイドーシスの病態と治療薬の開発
  • タンパク質機能を構造から制御する低分子化合物の探索

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