先端抗体医薬開発センターは
企業の皆様との共同研究を積極的に推進しています。

富山大学先端抗体医薬開発センターでは、世界的競争力を持つ独自の抗体取得技術、感染症専門家、バイオインフォマティクス専門家を擁しており、これまでも製品化につながる有用抗体等の開発や技術支援に、数多くの実績を有しています。抗体取得等に興味をお持ちの企業の皆様、まず「お問い合わせ」ページからご連絡下さい。

センターの特徴と強み

抗体取得技術

抗体取得技術

有用抗体の取得にはたくさんのリンパ球の中から目的抗原との結合能を有する抗体産生細胞を、迅速かつ確実にいかに見つけるかが鍵となります。そのため富山大学では世界的競争力を持つ独自の抗体取得技術を2種類開発しました。
一つはISAAC法と命名した手法で、リンパ球が1つだけ入るウエルを数10万個並べたリンパ球チップを用いて、抗体産生細胞から分泌されウエル周辺に付着した抗体と、蛍光標識抗原との結合を検出することで、抗原特異的抗体産生細胞を同定しそこから抗体遺伝子を取り出し抗体を取得する方法です。
二つ目の方法では、高親和性抗体の大量分泌のため親和性成熟という過程を経て最終分化した形質細胞が、小胞体と呼ばれる細胞小器官を豊富に持つことに注目して抗原特異的形質細胞の同定法を開発し、ERIAA法ならびにFixAA法と命名しました。セルソーターを用いることで多数の抗原特異的単一形質細胞を単離し、それぞれの細胞から抗体遺伝子を確実に取得・発現させるためのMAGrahd法やTS-jPCR法を開発したことにより、免疫された個体から目的の抗体を最短4日間で取得できる世界最速レベルの抗体取得システムを完成しました。これらの技術を駆使することで、新規感染症の出現に際し診断薬や治療薬の開発を加速できることが強みです。

感染症

感染症

診断・治療・予防をよく知る感染症専門医が臨床と基礎で連携し、感染症診療が抱える“いまの課題”を、タイミングを逃さずに成果につなげる体制が備わっています。例えば、新型コロナウイルス感染症では3年間で20報を超える論文を輩出し、ワクチンの有効性評価では常に先導してきました。
臨床的な評価と検討だけでなく、新型コロナウイルス、インフルエンザウイルス、SFTSウイルス、グラム陰性菌の薬剤耐性、グラム陽性菌の薬剤耐性、クロストリジオイデス・ディフィシルなどを幅広く取り扱うin vitro、さらにin vivoでは呼吸器感染症、腸管感染症、血流感染症、膿瘍など多様なモデルを構築でき、病態解析、薬効評価などが行えます。微生物とモデルの多彩な組み合わせは、新興・再興感染症をひろくカバーし、時代のニーズに合わせた研究ができるのが強みです。

バイオインフォマティクス

バイオインフォマティクス

ライフサイエンス研究では、仮説を実験的に検証する実験医学により研究が進展します。これは、理論を実証する「実験物理学」に相当します。実験物理学は「理論物理学」(数理モデル)と一対であり、アインシュタインは数式に基づいて「光速に近い速度で移動する物質の質量は無限大になる」という物理現象を「将来予測」しました。ライフサイエンスでは、経験を数値データベース化し科学化するEvidence Based Medicine(EBM)が取り組まれています。一方、医療の妥当性を裏付ける「理論医学」の基盤整備は未整備で、その端緒段階といえます。バイオインフォマティクスと数理モデル化でライフサイエンス研究全般に体系的な論理的根拠を与え、ソフトサイエンスであるライフサイエンスをハードサイエンスへと変革し、革新的な医療や創薬手法の実現を目指すことを、我々の戦略目標としています。

最近の研究成果

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