高岡裕教授らの研究チームは、高血圧症の一種である「原発性アルドステロン症」の新しい病因として、接着分子である cell adhesion molecule 1(CADM1)の遺伝子変異を同定しました。当バイオインフォマティクス部門では、この遺伝子変異が細胞間のギャップ結合を広げる可能性を、分子シミュレーション解析による理論構造予測から導き出しました。遺伝子変異に起因するアミノ酸置換によってCADM1タンパク質の膜貫通ドメインが短くなることでCADM1タンパク質が立ち上がり、結果として細胞間の距離が広がります(図参照)。その結果生じる細胞間コミュニケーションの変化により、副腎皮質からの過剰なアルドステロン産生がもたらされる可能性を示しました。本研究成果は、接着分子の変異がホルモン産生に強く影響することを明らかにした点で画期的です。

 

https://www.u-toyama.ac.jp/wp/wp-content/uploads/20230608.pdf

論文

(1) Nature Genetics doi:10.1038/s41588-023-01403-0, 2023

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